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北海道SHS会第30回全道大会で太陽光発電のイロハを勉強しました

2023.10.19

現場見学の会場で記念撮影しました

北海道SHS会は9月21日、札幌市内で第30回全道大会を開催しました。全道から会員ら約40名が集まり、低炭素時代の家づくりを現場見学や座学研修で学びました。

 

高性能SHS住宅はエアコン1台で冷暖房!

これから現場を見学します

当日は、まず札幌市北区で建築中の住宅現場を見学しました。会員の久末弘信建設(株)さんの現場です。断熱性能は外張り断熱のSHS工法に充填断熱を併用して断熱等級6をクリアし、空調はエアコン1台で全館空調するYUCACOシステムを採用。これまで数棟施工していて冬もエアコン1台で大丈夫とのこと。会員からは、YUCACOシステムの仕組みや施工などの質問が活発にありました。

工事途中なので、玄関付近は外張り断熱材のスタイロエースIIが見えています。

 

会員は1階も2階も見て回り、久末弘信建設の担当者から説明を聞いていました

 

省エネ政策、太陽光発電、SNSの活用など、勉強すること盛りだくさん!

その後、札幌市内のホテルに移動して全道大会を始めました。首藤会長が「木造住宅の着工数は物価の上昇とともに減少しており、われわれ工務店は生き残りのためにさらなる差別化が必要だ。そこで今回は、SHS工法の特徴を伝える動画配信の活用や、改正省エネ法の動向とエネルギー高騰時代に家計を守る太陽光発電といったテーマについて勉強する」とあいさつしました。

首藤会長のあいさつ

続いて、令和5年度の活動経過報告が事務局から行われた後、(株)北海道住宅新聞社が北海道SHS会の家づくりをPRする動画配信の活用方法について提案を行いました。インスタグラムは個人がすき間時間でひまつぶしに視聴することが多く、ユーチューブは大型テレビのリモコン1つで視聴できることから家族全員で見ることができる、といった配信先の特徴を詳しく説明。配信先の特徴に合わせて戦略を立てて動画を作成することが必要だとしました。

また、会員研修としてSHS工法で使われる断熱材「スタイロエースII」「スタイロフォームFG」などを開発・製造するデュポン・スタイロ(株)技術・開発本部の森本恵一氏が改正省エネ法の動向について講演。2025年の省エネ基準適合義務化に続いて、2030年頃には誘導基準(断熱等級5など)が義務化になる見通しだと説明しました。既にSHS会員が建てる住宅は、既に等級5への対応もできていますので、心配はありません。

 

太陽光発電について講演する大越氏

休憩をはさんで、PVソーラーハウス協会の大越正人室長が「太陽光発電のすすめ」と題して講演。「自然災害による停電や電力供給のひっ迫リスクなどから、家づくりの提案にも変化が求められている。電気、ガス、灯油などエネルギー価格の高騰に対しては、SHS工法のような高断熱・高気密によるエネルギー負荷の小さな住宅にした上でヒートポンプなど高効率設備の導入が必要。さらに今後不透明なエネルギー価格の動向に左右されないために、太陽光発電と蓄電池の提案も求められる」としたうえで、太陽光発電の歴史やメリット、停電対応、活用方法、選び方などをわかりやすく説明しました。

北海道は、全国の中でも太陽光発電が普及していない地域でしたが、電気代の高騰や大地震での停電などから、関心を持つ人が増えています。SHS会でも、そうしたお客さまに対して適切なご提案ができるよう、こうした研修を行っています。

 

長沼と札幌で現場見学会と技術研修会を開きました

2023.07.08

北海道SHS会では7月6日午後、現場見学会と技術研修会を開きました。
現場見学会には約40名が参加。チャーターしたバスで札幌駅北口を12時30分に出発。近郊の長沼町にある建築中のS様邸に向かいました。

1時間ほどで現地に到着。本来は建築途中でスタイロフォームが見える状態ですが、当日の天気予報は雨となっており、建物躯体を守るため、急きょ断熱材の上に透湿防水シートを貼った状態での構造見学となりました。

(さらに…)

北海道SHS会第35回定期総会で最新の経済理論を学びました

2023.01.27

全道から43名が集まった

北海道SHS会では1月19日、第35回定期総会を開催しました。去年の定期総会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で1月から6月に延期しましたが、今回は3年ぶりに1月開催となりました。

※以下、壇上で話をする人は、参加者と十分な距離をとった上で、透明なアクリル板越しにマスクを外して話しています※

 

2023年度は支部活動を活発に

首藤会長

首藤一弘会長は、冒頭のあいさつで「建材価格の高騰やコロナ渦、ウクライナ情勢による混乱など予測できない事態が続いているが、本日はSHS工法の新たなマニュアルについて学び、その後札幌学院大学の河西学長に明るくなる経済の話をしていただく。みなさんと共に、たくさんの情報を収集し、われわれの仕事を守ることにつなげたい」と話しました。

続いて2022年度事業経過報告と収支決算報告、2023年度事業計画案と収支予算案が審議され、満場一致で可決されました。今年度の主な事業計画は、現場見学会や研修会を活発に開催するほか、新しい断熱等級6・7に対応した設計・施工マニュアルを整備します。また、販売促進としてホームページの充実とネット広告の活用を推進。さらに、これまでストップしていた支部活動を再開し、支部研修会などを開催する予定です。

市川卓氏

会の最後に特別会員2社が壇上に立ちました。まず「スタイロフォーム」を開発・供給するデュポン・スタイロ(株)から、市川卓営業本部長が「これまで透湿防水シートのタイベックや人造大理石のコーリアンなど、グループ会社の別部門の建材を担当していたが、昨年秋に現在の部署に異動してきた。振り返ってみると、40年前にSHS工法が開発された頃、タイベックが日本で初めて施工された。それが道南の函館だったのが感慨深い」とあいさつしました。

沢田泉氏

次に富士化学工業(株)・沢田泉社長があいさつに立ち、「先週(1月13日)テレビで放送された『ガイアの夜明け』で、最新の断熱・エコ住宅が取り上げられた。それを見て、『いい家を建てたい』と志を同じくするプロユーザーが集まってどれだけ打ち合わせできるかがいい家づくりには大事だと感じた。春からは、新型コロナウイルスがインフルエンザと同じ5類になると言われており、経済活動が活発化すると思う。われわれも支部活動を再開していきましょう」と呼びかけました。

 

SHS工法の新マニュアルを学ぶ

SHS工法マニュアルの研修を行いました

休憩の後、デュポン・スタイロ技術開発本部の森本恵一氏が「SHS工法マニュアルについて」発表。完成間近のマニュアルをわかりやすく説明しました。この工法マニュアルは、SHS工法の成り立ちから説明し、最新の断熱等級6、7に対応した断熱仕様を明記、また施工上の細かな注意点を記すなど、会員がカーボンニュートラルを目指す高断熱住宅が建てやすいように配慮されています。

 

VUCA理論で工務店経営を学ぶ

河西邦人学長

最後に、札幌学院大学の河西邦人学長が「VUCA(ヴーカ)時代の持続可能な経営」と題して講演しました。VUCAとは、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、あいまい性(Ambiguity)の4要素の頭文字をとったもの。予測困難な現代の経営指針として最近注目されているそうです。

※参考 https://www.asahi.com/sdgs/article/14663680

上記リンクではVUCA理論の活用について、「変化の兆しをいち早く「察知」し、進むべき方向への道筋を「見いだし」、自社の資源をすばやく「適応」できる」と説明しています。

河西学長はVUCA理論を応用した工務店経営について、「VUCA理論で経営上の問題点をVUCAの4要素で評価し、自社でどう対応するかを考える。優先順位としては、対応しやすい問題から手をつけていくのが良い」

と話しています。

 

工務店経営で重要な4要素

河西学長は工務店経営の方向性について、以下の4つにまとめました。

1.差別化と低コスト化への努力

建材価格や土地の高騰が続く中、他社よりも低コストで家を建てられることが求められています。しかし、安ければそれでいいわけではなく、差別化も必要です。

2.取引価値の最大化

たとえば、家を新築すると欲しくなる家具の販売や、庭を充実させるためのガーデニングショップの運営、あるいは火災保険を建物にかけるときに見直すことの多い生命保険や医療保険の提案を行えば、「いろいろ面倒なことが工務店への相談で済んだ」とお客様に評価されます。

3.コスト上昇に対してコスパを強調する

3年前の住宅と今年建てる住宅が同じ内容で価格が300万円上がったなら「ただ高くなっただけ」となり、お客様の満足度は下がるでしょう。

これに対し、「3年前とは違い、2ランク上の断熱等級6を標準仕様にしました。価格は高くなりましたが、後々光熱費でのお悩みは減りますよ」となれば、「今住んでいる古い家は、月7万円も電気代払っているけど、これなら安心できそう。建物価格は高いけど、それだけの価値があるわね」と評価されるでしょう。

どこかのCMじゃありませんが、「お、値段以上」と感じるような提案をするのです。

4.顧客の生涯価値を最大化する

新築だけでなく、建てた後もお客様と良い関係を築き、住宅のリフォーム、営繕、時には住み替えのお手伝いまですることで、1人の顧客から売上を最大限増やすという考え方です。

 

今回、河西学長のご協力で新しい理論を学ぶことができました。

これを明日からの業務に生かし、これからも地域のみなさまに愛され、必要とされる会員でありたいと思います。

第29回北海道SHS会全道大会が開催されました!

2022.11.02

北海道SHS会は10月13日午後、3年ぶりとなる第29回全道大会を開催しました。

ZoomやTeamsなど、ビデオ会議ツールで会員同士がつながるというやり方もありますが、やはり顔を合わせて行うと、その場の空気感を共有することができて安心します。全道から約40名の会員が参加しました。

(さらに…)

2年5ヵ月ぶりに北海道SHS会総会を開催 ~ お客さま向けパンフをリニューアル

2022.07.01

北海道SHS会は6月23日、第34回北海道SHS会総会を開催しました。実に2年5ヵ月ぶりの開催です。

みなさまもご存じのとおり、2020年2月からはコロナ渦であらゆるイベント、会合などが中止に追い込まれました。2021年の総会は中止し、議決事項はオンラインで決定しました。今年も毎年総会が開かれる1月の段階では開催できませんでしたが、「中止ではなく延期」として開催できる時を待っていました。

その後感染者が徐々に減り、また行政が要請していた行動制限が徐々に緩められても感染者の数が減ってきたため開催可能と判断。ようやく全道の会員のみなさまが集まることができました。

今回の総会では、壇上に立つ人はマスクを外して話しておりますが、参加者との間に巨大なアクリル製の透明スクリーンを立てて飛沫拡散を防止するなど、感染対策には万全を期しました。

(さらに…)

SHS工法のPR動画を制作中です

2021.07.28

北海道SHS会では、今年度の事業計画の1つとして、SHS工法の概要と魅力をわかりやすく説明する動画を制作することになりました。これまでホームページ上でSHS工法について文章と図版でご説明していましたが、実際の建築中の現場を取材し、住んでいるお施主様のインタビューをして動画としてまとめることで、SHS工法の魅力を体感できる内容にしたいと考えています。

スタイロフォームATを使った基礎工事現場

6月には、会員工務店の協力を得て基礎工事現場を撮影。防蟻基礎断熱材・スタイロフォームATを採用した現場でした。

4tトラックいっぱいに収まったスタイロフォーム

今月7月は、実際にSHS工法で建てている別の会員工務店の工事現場を取材しました。4tトラックいっぱいにおさまった断熱材・スタイロフォームや、屋根一面に並んだスタイロフォームの断熱施工、壁まわりの断熱施工などを動画として撮影しました。

外壁でスタイロフォームを施工中。熟練した大工が釘を丁寧に打っていく

大型クレーンで柱や梁材を持ち上げ、2階床部分に運びこむ

車の往来が比較的多い道路に面した現場でしたが、時間帯を見計らって一時的に道路を通行止めにし、大型クレーンで2階部分の柱や梁を吊り上げ、運ぶ様子は迫力満点でした。クレーン車がまわりの電線などに最新の注意を払い、細かに位置決めをしながら操作をする様子は、大人が見ても「カッコイイ」と思いました。

現場では貴重なお話も聞けました。
真夏の暑い時期の工事ですが、スタイロフォームを施工した後は、「中の方が涼しい」と職人さんが工事中の建物の中で休憩するそうです。断熱性能の高いスタイロフォームだから、夏の暑さを遮って快適になるんですね。

また、入社して40年になるベテラン大工のスゴ技も。施工が上手だと、スタイロフォームの端材も少なくなり、無駄なく材料を使えるそうです。

動画制作は今回の撮影で終わりではありません。
お盆明けからは、SHS工法で施工された住宅に実際に住んでいるお施主様のインタビューも行い、住み心地についてまとめる予定です。
どんなお話が聞けるのか、今からワクワクしています。

動画が完成するのは11~12月の予定です。
みなさん、楽しみに待っていて下さい!

第32回定期総会が開かれました

2020.03.11
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首藤会長

北海道SHS会は1月21日、札幌市内の京王プラザホテルで第32回定期総会を開きました。会場には多数の会員が参加しました。開催に先立ち、首藤一弘会長は「一昨年の北海道胆振東部地震で被災した方々には、寒くて狭い仮設住宅から復興住宅に住むための対策などが求められています。こうした中、丈夫で暖かいSHS住宅を作り続けることが、私たち北海道SHS会の責任でもあります」と挨拶しました。続いて議案審議が行われ、令和元年事業経過報告と収支決算報告、令和2年度事業計画と収支予算案が満場一致で可決されました。

【新工法開発プロジェクトチームを始動】

令和2年度は新工法仕様検討のための現場、技術研修を強化し、新工法仕様検討のプロジェクトチームも立ち上げます。また販売促進面では、一層の知名度向上を目指し、ホームページを最大限利用した販促活動、広告宣伝を行い、新規会員の募集強化も行う予定です。

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有友社長

役員改選では、副会長に石川信弘(株)石川建設社長が昇任し、理事に山田竜平(株)re-ate社長と石井良幸(株)生杉建設社長が新たに選ばれました。この後、SHS工法の断熱材・スタイロフォームを製造・供給するデュポン・スタイロ(株)の有友完社長が「当社は昨年、ダウ化工からデュポン・スタイロと社名を変更しました。これは、親会社のダウ・ケミカルとデュポンが合併し再出発するときに、消費者に近い製品を出しているデュポングループに移行したためです。また、お客様に解決策をご提示できるような新製品は「スタイロ~」と名付け、今後増やしたいと考えています」と挨拶しました。

研修会では、「改正建築物省エネ法について学ぶ」を題にデュポン・スタイロ三原典正製品開発部部長が改正建築物省エネ法について講演しました。2021年4月からスタートする床面積300m2未満の建築物への省エネ性能説明義務や、戸建住宅の省エネ性能評価方法の簡潔化などについて説明しました。基礎断熱の断熱性能評価が変わるかもしれない、という話など、内容は専門でしたが、参加者のまなざしは真剣でメモを取りながら熱心に受講し、会場からは次々と質問が飛び交い、時間があっという間に過ぎた総会でした。

【荻原次晴さんが特別講演】

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荻原次晴氏

最後に特別講義としてスポーツキャスターの荻原次晴さんが「次に晴れればいい」と題して講演しました。荻原次晴さんは、群馬県草津温泉にある建材店がご実家で、子供の頃、倉庫にあるスタイロフォームで遊んだことを思い出しますと語り始め、すっかり会場は次晴さんの話に引き込まれました。

双子の兄の荻原健司さんとともに「キングオブスキー」と言われるスキーノルディック複合種目で世界トップクラスの選手として活躍。長野オリンピックでは兄弟揃って出場を果たしました。兄の健司さんは、オリンピックで金メダルを取ってその名がとどろき渡ったため、次晴さんは健司さんと間違われたり、比較されたことで最初は辛い思いをしたそうですが、自分自身も必死で努力し、オリンピック出場を期に変わられたそうです。今ではスポーツキャスターをはじめ多方面で大活躍中です‼ 「身近なライバルの存在が自分自身の研さんにつながる」と話し、「これは工務店の家づくりも同じではないか」と話しました。北海道SHS会の会員様も大きくうなずきながら拍手喝采で講演会は終了。その後の懇親会も参加し、大人気でした。

2020年1月21日 札幌で第32回北海道SHS会定期総会を開催。荻原次晴氏の講演も!

2019.12.25

北海道SHS会では、2020年1月21日(火)午後3時から、札幌市内の京王プラザホテルで第32回北海道SHS会定期総会を開催します。

2019年5月に改正建築物省エネ法が成立し、今後省エネ性能を施主様に説明することが義務化され、北海道内でも各地で説明会が開催されています。当会としても準備をすすめ、逆に他社との性能差別化の良い機会ととらえ、しっかり学んでいきたいと考えています。

当日は、デュポンスタイロ(株)技術開発本部より「改正建築物省エネ法について」研修を行います。

荻原次晴さん

さらに、総会、研修会終了後はスペシャルゲストとして、荻原次晴さんをお招きし、講演会を開催します。
荻原次晴さんは、ノルディック複合の選手として、1995年世界選手権に出場し、団体金メダルに貢献。1998年の長野オリンピックでは、ノルディック複合に個人出場して兄・健司とともに入賞を果たしました。
選手生活を引退後は、スポーツキャスターとしてメディアに多数出演。2017年には日本オリンピック委員会特別貢献賞を兄弟で受賞しました。

北海道SHS会会員のみなさま、お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

開催日 2020年1月21日(火)
開場予定 午後2時45分
総会開始 午後3時~午後4時
研修会開始 午後4時~午後5時
荻原次晴氏講演 午後5時10分~午後6時
※時間は予定

北海道SHS会・第28回全道大会が開催されました

2019.10.03

2年ぶりの全道大会

会場には多くの会員が集まった


北海道SHS会は9月6日、JR札幌駅近くにある、TKP札幌駅カンファレンスセンターで令和元年度、第28回全道大会を開催しました。
昨年の大会は北海道胆振東部地震のため、やむなく中止となっており、2年ぶりの開催です。

あいさつする首藤一弘会長


首藤一弘会長は「北海道胆振東部地震から本日でまる1年経った。今も1300人の方が避難生活を送っており、札幌市内でも道路の補修が続くなど、地震の爪痕がまだ残っている」と被災地に思いをはせました。また、「『北海道SHS会のホームページを見た』と当社に来られる人も増えてきている。ホームページによる広報・宣伝の効果を最大限高められるように、今後も取り組みを進めていきたい」とあいさつしました。

荒田淳一部長


続いて、デュポン・スタイロ(株)北日本営業部の荒田淳一部長があいさつしました。
「2019年5月に新会社のデュポン・スタイロ(株)がスタートした。今後もスタイロフォーム製品の安定供給に務め、北海道SHS会の発展にお手伝いをしたい。シロアリ被害を軽減する基礎断熱材・スタイロフォームATの発売開始以来15年が経つ。今日の研修では、北海道でも注意喚起がされている基礎断熱の防蟻対策についてきちんと説明したい」とあいさつしました。
 
次に、事務局から北海道SHS会の令和元年度(2019年度)の本支部活動の事業経過報告が行われました。
その中で、SHS工法の受注棟数は、今年1~8月で年間目標の77%に達し、年度末まで4ヶ月を残していることを考えると、とても順調に推移していることが発表されました。
また新しい正会員として、高性能で低価格、デザインが良くてZEH対応可能な住宅を売りにする(株)セレクション(江別市、池田健太郎社長)が入会しました。

14年後も防蟻効果が持続するスタイロフォームAT

松本崇氏


最後に研修として、デュポン・スタイロ製品技術部の松本祟氏が「シロアリ被害の現状とその対策について」をテーマに講演しました。
 
それによると、シロアリには主にイエシロアリ、ヤマトシロアリ、アメリカカンザイシロアリの3種類あり、北海道でも北部の一部を除いてシロアリが生息しています。ただし、北海道で生息しているのはヤマトシロアリのみ。ヤマトシロアリは、湿気のある木材を好み、通気胴縁などを通じて2階まで被害が拡大する場合もあります。ヤマトシロアリの発生事例は道内あちこちで報告されており、シロアリ対策を講じる必要があります。
 
シロアリ被害予防のためには、基礎断熱材用に防蟻剤を含んだスタイロフォームATの使用を推奨しています。断熱材自体に安全性の高い防蟻薬剤が含まれているため、断熱材が蟻道(ぎどう)として使われる食害の心配がほとんどないそうです。また、雨など水に対する防蟻剤の流出・拡散もほとんどなく、揮発性も低いため防蟻効果が長持ちするのも大きなメリットです。
 

スタイロフォームAT(デュポン・スタイロホームページより)


同社では15年前のスタイロフォームAT発売開始以来、製品の長期評価試験を行っています。スタイロフォームATを屋外で施工した試験体は、施工後14年経過した現在でも製品内に蟻道を形成した形跡が見あたらず、防蟻薬剤も減少していません。防蟻効果が長期間持続していることになります。
 
こうした防蟻効果を長期間保つには、同製品の使用だけでなく、配管貫通部回りなどに専用接着剤「AT-02」を使用するなど、同社が指定した正しい施工手順を守る必要があります。指定された施工を行えば、スタイロフォームATやAT-02の食害が原因で損害が生じた場合、10年保証が適用されます。それぐらいこの製品に自信があるということです。
 
研修が終わった後は、懇親会を行い、会員同士が親睦を図りました。

北海道SHS会員が積極的に話し合う技術研修会を開催しました

2019.06.30

現場見学の後、記念撮影


北海道SHS会は6月13日午後、第1回技術研修会を開催しました、会員ら約50名が参加した研修の前半は、参加者がバスに乗って会員工務店が建築している途中の住宅現場を見学し、後半は会議室を借りて現場見学のまとめとディスカッション、そして最後に国の住宅政策やSHS会会員の住宅性能について学びました。

会としての研修はこれまでも定期的に行っていましたが、講師を招いて技術や国の施策について話すのを会員が聞いて勉強する、という形式でした。


真面目な会員が多いので、今までのやり方でも良かったのですが、会員同士の交流を深め、議論を活発にするためには、受身的に人の話を聞くだけでなく、他の会員の住宅施工現場を見学して気づきをもらい、疑問点や感じたことを会員同士で話し合う。そういう積極的な雰囲気を創ることで技術力の向上を図りたいと始めたのが今回の研修会です。

北海道SHS会では、最初の頃は会員が現場を見せ合っていました。やがてSHS工法が定着してくると「もう必要ない」と考えたのかもしれません。あまり行われなくなりました。

一行はバスでまず江別へ


しかし会が発足して30年が経ち、経営者が交代する会員も増えました。先人が苦労して編み出した工夫などを、こうした研修会を通じて若い世代に伝えていきたいという思いもあります。

建築中の現場で床組みや防水施工などをじっくり見学

現場のそばは緑あふれる公園


さて研修会当日は、会員はバスに乗って江別市内にある拓友建設(株)さんの現場に向かいました。到着した場所は目の前に公園があり、静かで落ち着いた雰囲気の住宅街でした。


現場は、外壁下地に外張り断熱材の青いスタイロエースをほぼ張り終えた直後。この後に外壁を張り、内部の工事を進めます。


会員は、窓回りの防水処理や梁回りの先張りシートの施工を観察したり、外壁部分は無機繊維系断熱材で200mm相当という断熱性能の高さに感心する人など、熱心に見学していました。


この写真。会員が床下空間の施工について熱心に話し合ってるみたいです。スマホで写真を撮っているのは、参考にするためでしょう。
「次の現場に行く時間だよ~」という声が聞こえ、ようやく腰を上げます。思った以上にみなさん熱心です。


多くの会員が集まる機会はなかなかないので、建物をバックに記念撮影も。
大人の社会科見学みたいな、楽しそうな雰囲気です。


バスに再び乗って、札幌市西区へ移動。そこは、(株)丸三ホクシン建設さんの現場でした。こちらはスタイロエースを張り始めたところで、下地である茶色いOSB合板が見えた状態でした。


会員は屋根を支える登り梁の加工の見事さや、細部の納まりや施工の流れなどをチェック。スマホで気になる箇所の写真を撮ったり質問したりしながら見学していました。

現場見学の後、活発な質疑応答

北海道SHS会の首藤一弘会長


この後、札幌市中心部に移動し、ビルの一室で技術研修会を開きました。拓友建設の妻沼社長と丸三ホクシン建設の首藤社長が、見学した現場の建築概要についてそれぞれスライドで説明しました。


拓友建設の現場で建てていた住宅の断熱性能は、UA値0.23Wと国の省エネ基準0.46Wの2倍も高性能。でも、拓友建設では珍しくないレベルだそうです。また、屋根は板金ではなくシート防水と呼ばれるビルなどで使われる工法を採用。

会場からも、「シート防水工法の現場を見られて良かった」という声も出ました。木造住宅の屋根としては比較的新しく、防水性能の高さとコスパの良さから今、注目されている工法だからです。拓友建設さんによると、耐久性にこだわるのならばラミネート鋼板を使った屋根がお勧めだとか。住宅の屋根も、今はいろいろな選択肢があるのだと感心します。

会場からは活発に意見、質問が出た


また同社では、毎年札幌版次世代住宅基準のトップランナー住宅を施工しています。会場からは、「建物価格がかなり高くなって施主に納得してもらうのが大変でないか?」という質問も出ました。

妻沼さんは、「標準仕様の断熱性能が高いため、トップランナー基準に対応した場合の標準仕様との差額は100万円程度で済んでいる。補助金は200万円出るので、お客様からすると差額を出しても得をする提案になっている」と答え、会場のみなさんも「そうか」とうなづく人が多数。

丸三ホクシン建設の発表に対しては、
「手加工にこだわるメリット、デメリットを教えてほしい」という質問が出ました。
首藤さんは、「自分自身、35歳まで大工をやってから経営に参加した。ちょうどその頃、木材工場が図面を元に柱や梁などをあらかじめ加工する「プレカット」が増えたことや、大工が弟子を取って修行させるという徒弟制度が廃れたことで、大工が必要とされにくくなり、育てる仕組みも失われて数が激減した。そこで大工を育てたいという思いが強くなった」と答えました。

経験豊富な大工を集め、大工の仕事を確保するために仕事を探した日々もあったとか。冬、仕事がないときは木材の墨付け作業をやってもらうことも。

今回現場で目立った登り梁ですが、これはプレカット工場では対応できないそうです。また、室内に現し仕上げとするため、手加工にしないときれいに仕上がらないそうです。

こうして大工の手加工にこだわった家づくりをしていくうちに大きなメリットがでてきたそうです。それが、「大工の自主性が高まったこと」です。

つまり、図面を見て大工自身が仕事の段取りも含めて考え、行動するようになったのです。仕事を安心して任せられるほど自主性が高まった、それがメリットです。それは、大工自身にとっても、仕事に対するプライドが高まることになります。

SHS工法なら、UA値0.30Wを切るのが容易

山田道男氏


この後、デュポン・スタイロ(株)製品技術部の山田道男氏が、「建築物省エネ法の一部改正とSHS住宅の外皮性能評価」について講演しました。国の省エネ基準義務化が取りやめになるなど、政策に一部変化があったことなどが報告されました。

また、同社がSHS会員からUA値計算の依頼を受けた住宅について、UA値の平均を出したところ、0.32Wと省エネ基準の0.46Wを大きく上回る値でした。SHS工法が高断熱住宅に向いた工法だと言えます。また、近年普及が進んでいるトリプルガラス入り樹脂サッシの採用や、充てん断熱を付加断熱として併用することで、UA値0.30W以下の達成は容易であることも指摘しました。

技術研修会は、7月下旬にも予定されています。こうした取り組みを通じて、会員同士の交流がさらに活発になり、いい家づくりにつなげていけたらと願っています。

SHS工法のZEH対応や断熱・気密施工の実際を研修会で学びました

2018.06.20

北海道SHS会は6月12日、札幌市内のかでる2・7で会員向け研修会を開催し、約50名が集まりました。

実際に使用したテキストです。中身は会員専用なので残念ながら公開できません

研修会の前半は、ダウ化工(株)技術開発本部の松本崇氏が「2018年の国策助成金(ZEH関連)とこれからの断熱仕様について」を講演。業界紙に掲載された工務店アンケート結果を引用しながら、道内の住宅会社が断熱仕様に対してどんな意識を持っているかを解説。国のZEH政策や補助金についての基本的な考え方と、国土交通省、経済産業省、環境省などが募集する補助金の概要と違いについて説明しました。

その後、豊富なシミュレーション事例を使ってSHS工法のZEH仕様を詳しく解説しました。太陽光発電システム(PV)の搭載量を現実的な6kW以下に抑えるには、断熱性能=UA値がだいたい0.28W以下が必要で、そうすれば概ねZEHの要件を満たすことが可能だと結論づけました。しかし、間取りによっては7kW以上PVを搭載しないとZEH要件を満たさないことがあります。ZEHに最適化した設計の重要性を強調しました。

なお、ダウ化工では、2020年の省エネ基準義務化を見据え、北海道SHS会会員に対して基準クリアに必要な計算業務の無償サービスを提供しています。これは会員へのきめ細かなサポートの一例。ほかにも、ZEH仕様についての研究・サポートも行っており、忙しい会員工務店にとって欠かせないサービスとなっています。

休憩を挟み、研修会の後半は首藤一弘会長((株)丸三ホクシン建設社長)が自社の施工現場の写真を豊富に使いながら、SHS工法の断熱・気密施工の納まりなどを説明し、会場の参加者とディスカッションしました。SHS工法では標準となる断熱厚は決まっていますが、会員各社は細かなところで工夫をしています。たとえば、首藤氏は、スタイロフォーム断熱材を現場で有効に活用できるよう、外壁と屋根部分のスタイロフォーム断熱材の厚みを共通化し、外壁と屋根の断熱材を使い回ししやすい仕様としています。このことで、現場でゴミが出にくく、余計なコストもかかりにくくなっています。

また、窓まわりの気密施工の手順説明では、「当社ではやったことのない施工なので、納まりを詳しく説明してほしい」と、会場から質問が出たので、首藤氏がホワイトボードに書いて納まりを説明しました。それ以外にも、会場から質問が次々と出て、活発な研修会となりました。

首藤会長は、「会員の世代交代も進んで若い参加者も増えている。北海道SHS会が30周年を迎えたのを機に、初心に立ち返って断熱や気密施工について会員同士で情報交換を行うことで会の発展につながる道筋をつけたい」と話しています。当会では、今後もこのような研修会を継続的に開催する予定です。